○×で答える試験で、このような「いつも」「絶対」といった言葉が入っている文章に○をつける人はまずいません。×をつけるのが普通です。わたしたちが生きている世界のなかで「いつも」「絶対」と言い切れる出来事などないからです。

 ところが、こころのなかでは気がつかないうちに、こうした決めつけ言葉を使って考えて自分を苦しめていることがよくあります。

 よくないことが起きていたとしても、すべてがよくないということはありません。よくないことだけでなく、よいことにも目を向けることが大事なのはそのためです。

 つらくなっているときには、このように一方的に決めつけるだけでなく、すでに起きたことを後悔していることもよくあります。いくら過去を後悔したところで、すでに起きた事実を変えることはできません。過去のことを考えれば考えるほど、どうすることもできないという後悔の気もちが強くなるだけです。

 このように気もちが揺れたときには、ちょっとひと息ついて、よいこと、よくないことの両方に目を向けるようにします。そして、よいことはよいこととして評価し、よくないことはよくないこととして受け止めて、その結果をこれからどう生かすかを考えていくようにします。

 後悔して過去に自分を引き戻すのではなく、すでに起きたことを反省してこれからに生かす。すると、失敗が失敗に終わらずに、失敗を自分のために使うことができ、いま、そして将来に向けて、自分らしい生き方ができるようになってきます。