平日の仕事で疲れ切ってしまう人のなかには、金曜日の夜から土曜日の日中にかけてずっと寝ていて、夕方の5時ぐらいにようやく起き出す、なんて人もいるのではないでしょうか。そうすると、夜12時前に寝ようと思ってもなかなか眠くはならないでしょう。その結果、2時、3時を過ぎてからようやく寝て、朝は起きられず、また日曜の夜も寝られなくなって、寝不足のまま月曜日の朝を迎える……ということになりかねません。

 体力を回復させることも大事ですが、私が、さらに重要だと思うのが、リズムのなかで休むことです。睡眠リズムも生活リズムも乱さず、いかに質の高い休養をとれるかが月曜からのパフォーマンスを左右します。

遊びは心の栄養だが
詰め込みすぎに注意

 また、週末に遊びすぎて疲れた経験はありませんか?土曜日にディズニーランドに行って、日曜日にはキャンプやライブに出かけるなど、土曜も日曜もフルに出かけるような過ごし方は、心の栄養にはなりますが、確実に体力は削られます。

 特に、この記事を読んでくださった方は、すでにちょっと疲れている方だと思います。そういう方が楽しいイベントとはいえ、週末に予定を詰め込みすぎると、いざ仕事が始まる月曜日にはガス欠に陥ってしまうので、お勧めできません。

書影『産業医が教える 会社の休み方』『産業医が教える 会社の休み方』(中央公論新社)
薮野淳也 著、橋口佐紀子 構成

 私自身も、つい最近、週末にプライベートの予定を入れすぎて、失敗したなと反省したところです。楽しい時間を過ごせて心の休養にはなった一方で、体の休養にはならず、バランスが大事だなとつくづく実感しました。

 そのバランスの取り方は人それぞれですが、全員に共通してお勧めしたいのは、生活リズムは固定したうえで休むということです。体力回復のためとはいっても寝すぎて生活リズムを乱してはよくありませんし、週末にアクティブに過ごすのは気分転換になりますが、一晩寝ただけでは疲れが取れず、日中も眠くなるようであれば、それは遊びすぎです。

 ビジネスパーソンにとっては、平日にしっかり働けるリズムを整えることは基本でしょう。そうであれば、週末も、そのリズムのなかで休むべきだと思います。