フィリピン政府は11日、国際刑事裁判所(ICC)が発布した令状に基づき、ロドリゴ・ドゥテルテ前大統領を「麻薬戦争」を巡る人道に対する罪で逮捕したと発表した。これにより、フェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領と、ドゥテルテ氏の娘であるサラ・ドゥテルテ副大統領の確執が頂点に達する可能性がある。また、中国との対立が加速する中で最も親密な同盟国の一つとして頼る米国との関係も揺るがす可能性がある。フィリピン大統領府は、香港からマニラに帰国したドゥテルテ前大統領を11日午前に拘束したと発表した。ICCは2021年、同氏の「麻薬戦争」に関する捜査を開始した。人権団体によると、ドゥテルテ前大統領の6年間の在任中、麻薬取り締まり作戦で1万2000人余りが殺害された。警察や国家が後ろ盾となった自警団が容疑者を処刑したとされる。ICC設立を定めたローマ規程から19年にフィリピンを脱退させた同氏は、麻薬取り締まりの正当性を訴え、国家と国民を守ることを目的としていたと主張している。
ドゥテルテ前比大統領を逮捕、麻薬戦争めぐりICC捜査
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