また、初対面の人に会うストレスで疲れる、というときにもパターン化が役立つ。あらかじめ3つほど短い質問を作っておくと、相手がどういった人かを理解しやすく、話もしやすくなる。起こりうることを予測して準備しておくというひと手間で、その後の脳の消耗を減らすことができる。

朝方の浅い眠り「レム睡眠」は
不要な情報を消去する

 脳疲労対策として、渡辺氏は他にも次のようなことをすすめる。

軽い運動をする

 ストレッチやヨガ、体操などで体を動かすと、マルチタスクで疲弊した脳をいったん休ませることができる。外に出て散歩をするのもいい。軽い運動をすると血流が高まり、疲労によって溜まった老廃物を体外に排出する機能が高まる。ウォーキングなどの一定のリズムを刻む運動は、脳を癒やすセロトニンの分泌を促す。

睡眠、休息を優先する

 睡眠は細胞の傷んだ部品や部分の修復を促すための重要な時間。成人ならば、最低でも6~7時間は確保したい。また、朝に太陽光を浴びると、毎日の睡眠リズムが整いやすくなる。

「入眠後すぐのノンレム睡眠は、脳の活動を抑え休息させ、朝方に起こる浅い眠りのレム睡眠では、脳への入力情報を淘汰、整理して不要な情報を消去するという働きがあり、いずれも大切です」

 仕事中も頭の中がまとまらないと思ったら脳疲労のサインだ。少し薄暗くした静かな部屋で20分ほど過ごすと脳を休めることができる。

五感を使って脳を癒やす

 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚の五感をまんべんなく使うことが脳のリラックスにつながる。空を眺める、音楽を聞く、おいしいものを味わう、森林浴をする、ふわふわのぬいぐるみを触ったりペットを撫でたりすることで、副交感神経が優位となりリラックスできる。

 日々常に膨大な情報を処理し、予期せぬことにも対処しているビジネスパーソンは、脳の疲労をケアすることが必要だ。せめて息抜きの時間には、脳を情報から意識的に解放したい。

>>第3回『仕事がデキない人に共通する「午後の耐えられない眠気」、原因は“残念な食習慣”にあった!』は2025年3月24日(月)公開です。