夜明けから間もなく、雪に覆われた森で1台の4輪ドローン(無人機)がぬかるみの中をロシア軍の防御陣地に向かって進んだ。ドローンは最終的に標的にたどり着き、爆発した。さらに多くのドローンが後に続いた。ドローンの中には機関銃や爆薬を積んで地上を移動するものもあれば、飛来して弾薬を投下したり戦場を撮影したりするものもあった。これは昨年12月にウクライナが実施した攻撃だ。無人の車両と飛行機をかつてない規模で連携させた作戦で、少なくとも戦闘の初期段階では前線に人間がほぼいないという点で新たな1ページを刻んだ。ウクライナでの戦争は、双方が優位に立とうと技術革新を続ける中、ドローンを使った戦闘を急速に進化させている。このほど米国がウクライナへの軍事支援と情報共有を停止(後に再開)したことは、ウクライナがロシアに対抗するためにドローンが不可欠であることを浮き彫りにした。前線の一部では、人員数でロシアが5対1で優位に立っている。