
メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国の金融機関が直近の2年間で、どれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、2025年最新版として取りまとめた結果を実名で公開。特集『融資先企業を「倒産」させた金融機関ランキング2025』の#2では、青森県の金融機関を取り上げる。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
青森県で融資先企業を最も倒産させてきた銀行は?
青森銀行、みちのく銀行が倒産させた企業は何社?
青森県内のトップ行である青森銀行と2位のみちのく銀行が今年1月に合併し、青森みちのく銀行が発足した。県内で圧倒的な存在感を持つ新銀行の誕生である。
プロクレアホールディングス傘下の両行の貸出金(2024年3月期)の規模をチェックしてみよう。青森銀行が2兆1689億円で、みちのく銀行が1兆7072億円。この2行が合併するのだ。ちなみに、3位の青い森信用金庫は2350億円にすぎない。
東京商工リサーチの24年の調査によると、青森銀行、みちのく銀行のいずれかがメインバンクであると回答した県内の企業の割合は71.5%に上る。メインバンクとは通常、貸出金のシェアが首位で、当該企業と長年にわたって親密な関係にある銀行のことを指す。ただ、企業側と銀行側で認識が異なっているケースもある。
企業を成長させて生かすのも銀行だが、危機に陥った際に命運を握るのも銀行だ。特に企業にとってのメインバンクは、倒産するのか、しないのかという局面では、重要な鍵を握る。融資を受けている企業から見れば、合併によってできた青森みちのく銀行は、これまで以上に怖い存在になる。
足元では、24年の全国の企業倒産件数が、11年ぶりに1万件を超えた。今後も倒産件数の増加と金融機関の融資姿勢が厳しくなるのは必至とみられているが、どの銀行が今後、企業に厳しく臨むのか――。それを知るには過去に注目するとよい。その銀行の将来の行動を最もよく表しているのは、口先のきれい事ではなく過去の行動なのだから。
メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国の金融機関が直近の2年間で、どれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、25年最新版として取りまとめた「融資先企業を『倒産』させた金融機関ランキング」を実名で公開する。
今回は、青森県の金融機関を取り上げる。青森銀行やみちのく銀行のほか、青い森信金などの信金も名を連ねた。
ちなみに「金融機関が倒産させた企業数の多い都道府県ランキング」は、下表の通りだ。地銀や信金、信組など主な金融業態の内訳も明記したので、ご覧いただきたい。
ランキングは、50本以上の記事として配信していく。全都道府県と全金融業態を網羅した完全版を含めて、さまざまな視点でお届けする予定だ。それでは早速、今回の青森県の結果を確認していこう。