スティーブ・ジョブズ氏のせっかちな性格に負うものの一つに、効率性と強度が極めて高い住宅用の窓を挙げることができる。こうした新しい種類の窓は、米国の家庭で大量に無駄にされるエネルギーの節約につながる。また、屋外を見晴らしたり、より静かで快適に暮らす役に立ったりするほか、極端な天候に住居が耐えられるようにする。ここで重要な技術となるのは、標準的な厚いガラスの間に挟まれた薄板ガラスだ。その存在はスマートフォンなどにおける製造や化学面での画期的な進歩のおかげだ。スマホやタブレット、腕時計は軽量化され、スクリーンは頑丈で傷がつきにくいものになった。典型的な複層ガラス窓は、1世紀前に発明されて以来ほとんど変化していない。不活性ガスを充填(じゅうてん)したり、熱を反射または取り込むためのコーティングを施したりすることで効果が高まった。ただ、他の条件が同じであれば、住宅のエネルギーにかかる費用は窓の数や大きさによって増減するというのが一般的に受け入れられている考えだ。