
桜も一段落した今、この季節ならではの京都を満喫できる場所、それが「祇園」です。開催中の春の風物詩「都をどり」、一見さんが舞妓さんや芸妓さんに会える場所、春限定の和菓子やスイーツから京みやげまで、あでやかな花街の春散歩をご案内します。(らくたび、ダイヤモンド・ライフ編集部)
この春、祇園の三つの話題
八坂神社の門前町として栄え、お茶屋や料亭のほか飲食店が立ち並び、さらに南側には建仁寺もある「祇園」は、千年の都・京都を象徴する情緒豊かなエリアです。
コロナ禍の自粛ムードも今は昔。すっかりインバウンド観光客に占拠された感もありますが、臆することなく街を巡ってください。古き良きものと新しき良きものが共存し、互いの魅力を際立たせ、何度でも足を運びたくなる引力のある街です。この春、祇園には三つの話題があります。
まずは、後ほど詳しく触れる現在開催中の「都をどり」。次いで、都をどりの会場「祇園甲部歌舞練場」の北隣に立つ弥栄(やさか)会館。来春、「帝国ホテル 京都」に生まれ変わります。弥栄会館は、先斗町歌舞練場、歌舞伎座、東京劇場などを手がけた近代建築の名手、木村得三郎によるものです。現在リノベーション工事が慎重に行われており、東京、上高地、大阪に次いで30年ぶり、4軒目の帝国ホテルに。
そして、1年前にオープンした祇園 花街芸術資料館。手描きの京友禅の着物や装飾品など、舞妓さんや芸妓さんが使用する品々が展示されています。ミュージアムショップのほか、都をどりの歴代ポスターの原画を飾る「アートカフェ」には、京都の地酒や国産ウイスキーなどドリンク中心のメニューがそろいます。喉にいいと評判の冷やしあめも思い出に残る飲み物になります。
お茶屋さんの並ぶ花見小路が有名ですが、他にも歩いておきたい路がいくつかあります。四条通より北側の花見小路の一筋西にある「切通し」は、白川に架かる巽橋へと続きます。巽橋を渡って左手、白川沿いの「白川南通」と伝統的建造物群保存地区の「新橋通」はおすすめです。
昼夜を問わず混雑している祇園の路地をそぞろ歩く際には、立て看板を意識してください。舞妓さんや芸妓さん、近隣住民のプライバシーや安全を守るため、観光客による一部の私道への立ち入りを禁止する看板が立っている通りがあります。日本語・英語・中国語で「私道につき観光客、ガイドツアーの写真撮影や進入禁止」と記載されています。路地の先に予約しているお店がある場合を除いては、通行を控えましょう。
