山手線の進化の変遷と
ターミナル駅の歴史
最初のコーナーは「未来をつくる!鉄道の可能性」と題して、開業から現在まで鉄道車両やサービスの進化を紹介。子ども目線の下部には、時代ごとの列車のスピードやきっぷの販売、車内での食事の移り変わりなど7つのトピックスが紹介されており、親子が一緒に楽しめるようになっている。
先に進むとイギリス製の蒸気機関車「1号機関車」と、最新の山手線「E235系」、150年を経て高輪の地を走る車両の模型がお出迎え。1885年の日本鉄道品川線(赤羽~新宿~品川)開業から1925年の環状運転開始まで、山手線が今の形になるまでの変遷と、その時々の車両の写真を紹介するパネルがある。親子三代で眺めればきっと、それぞれの山手線の思い出で盛り上がるだろう。

次は「鉄道が変えた!私たちの街・暮らし」として、JR東日本を代表する新宿、品川、仙台、新潟、立川、横浜、大宮、千葉、柏の9駅の歴史を紹介する。タイトルの通り、鉄道によってそれぞれの街がどう変わったかというのがテーマだ。ひとつひとつの事例を見ると、必ずしも国鉄・JR東日本が意図して変化させたわけではないことが分かるが、こうした経験の積み重ねが現在の都市開発につながっている。
例えば、1885年に開業した新宿駅は、江戸以来の都心を避けて設置された郊外の「田舎駅」だった。そんな新宿のターミナル駅としての歴史は、1889年の甲武鉄道(現・中央線)開業に始まり、20世紀初頭の中央線、山手線の電化で本格化した。商工業の発展で東京の人口が増加しはじめ、山手線沿線が住宅化。大正中期に入ると、郊外から都心へ電車通勤するライフスタイルが登場し、新宿駅は山手の中心地となる。
人々が集う駅は、やがて商業の中心地となる。高度成長真っただ中の1964年、国鉄と民間資本の共同出資で駅ビル「新宿ステーションビル(現・ルミネエスト新宿)」が開業。同年、西口に開業した京王百貨店、一足早く1962年に開業した小田急百貨店とともに、新宿を商業施設一体型の駅へと変えていった。このように9駅の時代ごとの姿を写真と年表、コラムで描き出しているので、なじみの駅から読んでみてはいかがだろうか。