大阪万博後に開業「なにわ筋線」が関西を変える!?新路線の経済効果を全方位分析大阪駅前の風景(写真はイメージです) Photo:PIXTA

プロ野球日本シリーズ・関西ダービーからのタイガース日本一、インバウンドの回復などで、どことなく浮かれていて落ち着かないような、2023年年の瀬の大阪。大阪といえば2025年に開催予定の万博の動向に話題が集まる。しかしその8年後の2031年に開業が予定されている鉄道の新路線「なにわ筋線」は、一般にはまだあまり知られていない。大阪のみならず関西、西日本の人流を大きく変えるかもしれない新路線が、どこを走り、どのような可能性を秘めているのかを解説する。(コンテンツプランナー 今岡由季恵)

タイガースが日本一になり
インバウンドが回復した2023年末の大阪

 筆者は大阪市内に暮らして27年になるが、今年の年末は街がいつになく浮かれているように感じる。物価高などで生活が苦しい中にあっても、そう感じる要因を振り返ってみよう。

 まずはインバウンドの回復だ。2023年4月の入国規制が緩和されて以降、外国人観光客の姿がじょじょに戻り、心斎橋や難波などのターミナルにはすでにあふれている。大通りの通行人や繁華街の商店街、デパートなどの買い物客は、個人的な体感値では日本人よりも外国人のほうが多い。

 事実、関西国際空港を利用して訪日する外国人旅客数は、今年10月に初めてコロナ禍突入直前の2019年の水準を上回った。ちなみに関西のみならず日本全体で見ても同様で、日本政府観光局(JINTO)の調査によると、10月の訪日外客数データからインバウンド回復傾向が決定的となっている。

 阪神タイガースが38年ぶり日本一となったことも、もちろん大きな要因だ。11月23日には、阪神とオリックスの合同優勝パレードが神戸・三宮と、大阪・御堂筋で行われた。多くの人が現地へ押し寄せたほか、その様子は在阪準キー局4局と独立系1局によって生中継され、筆者の周囲はその話題でもちきりとなった。

 そして不安要素もあるものの、2025年4月に大阪市此花区にある人工島「夢洲」で開催される「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」まで、1年半を切っている。

 コロナ禍からの反動とお祭りムードの余韻がさめやらぬ大阪で、「アフター万博」に控える大プロジェクトが、2031年開業予定の鉄道新路線「なにわ筋線」だ。