「マツダの長年の夢」~顧客の離脱を防ぐラージ戦略

 マツダの明日を占う、「ラージ商品群」。現状はCX-60、CX-70、CX-80、CX-90のSUV4車種が展開されている。高性能、好燃費、そして高価格帯。これらの商品群がしっかり売れていけば、マツダの利益率はグッと良くなるはずです。

 マツダは何を思い、何を狙ってこれらの高価格帯のクルマに打って出たのか。

 じっくりとお話を伺っていこう。

フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):今日お話しをうかがうのは、CX-80の主査・柴田さんです。よろしくお願いします。早速ですが、マツダのラージ車戦略について教えてください。ラージ車を造った、そもそもの目的は何ですか。単純に「高いクルマを造って儲けたい」というわけではありませんよね(笑)。

マツダ 商品開発本部 主査 柴田浩平さん(以下、柴):もちろん違います(苦笑)。マツダとして、ラージ車を造った目的は大きく二つあります。一つは「より上級志向なお客様のニーズを満たすような商品群を造ること」、もう一つが「環境負荷の低減」です。

マツダ 商品開発本部 主査 柴田浩平さんマツダ 商品開発本部 主査 柴田浩平さん Photo by AD Takahashi

F:上級志向への対応、ですか。