マツダの利益の鍵を握る「アメリカ市場」
F:アメリカでも同じ状況ですか?
柴:国内外ともにそうです。アメリカでもそう。上がないと、やはりよそに行かれてしまう。
F:単価の高いSUVが多く売れているから、マツダの利益の半分はアメリカからでしょう。地域別の営業利益や純利益の内訳を詳細には公表していないのでハッキリとは言えませんが、アメリカの市場は絶対に外せませんよね。
柴:そうですね。アメリカはやはり大きいです。ただマツダとしては、そこまで一つの市場に依存しないというのが会社としての特性であり、狙いでもあったのですが。
F:しかし数字としては、やはり北米依存という形になってしまっている。少なくとも現状は。
柴:結果的にはそうなっていますね。
環境性能を追求するための6気筒エンジン
柴:ラージ車戦略の大きな目的のもう一つは、「環境負荷の低減」です。世の中は環境対応で、大きく電動化に動いています。そんな状況下でも、内燃機関でできるところまではしっかりと環境性能を高めようという狙いがあります。積んでいるエンジンは6気筒。ですがこの6気筒分の能力を全てパワーに費やしているわけではありません。余裕のある6気筒で、幅広い回転域で良い燃焼が起きるようにして、できるだけ排ガスをきれいにすることを狙っています。

F:柴田さんは何屋さんなのですか?エンジン畑ですか?
柴:私はもともと商品企画畑なんですよ。
F:エンジンとか車体ではなく?
柴:そうですね。私はエンジニアではありませんので。ですが理系か文系の分類でいうと、理系の人間です。図面を描いたりする仕事ではありませんが、大学では理系を専攻していました。日本の自動車メーカーには、商品企画が理系にある会社と、文系にある会社の2種類があるんです。その中で、マツダは理系にある会社です。