米大統領は連邦準備制度理事会(FRB)議長を解任できるのだろうか。現議長のジェローム・パウエル氏によると、その答えはノーだ。同氏は16日、「FRBの独立性は法律の問題だ」と述べた。しかしこれは、ドナルド・トランプ大統領が議長解任を試みることはない、という意味ではない。トランプ氏はこれまでも、大統領が政策上の理由で解任することはできないと従来考えられていた他の行政機関任用官を解任しようとしてきた。この問題がいま沸点に達しているのは、トランプ氏の予測不能な関税引き上げが米経済を追い込み、FRBが極めて難しいトレードオフ(二律背反)に直面しかねない状況となっているからだ。景気後退(リセッション)リスクの高まりから経済を守るために利下げすればインフレを悪化させる可能性があり、一方でインフレ抑制のために政策金利を据え置けば経済成長を損なう恐れがある。
トランプ氏はFRB議長を解任できるのか
「正当な理由」があれば解任できるとされるが、その定義は規定されていない
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