2位はウィルで675.4万円
23年12月期の減益理由が興味深い
2位は阪神間・北摂・名古屋・東京と幅広いエリアで住宅の購入・売却・リフォームなどを手掛ける不動産業のウィル(兵庫県宝塚市)。平均年収は675.4万円(従業員数167人、平均年齢29.7歳)だった。
同社は23年版のランクは3位で、平均年収は712.8万円(従業員数146人、平均年齢29.6歳)だった。この1年で平均年収は37.4万円下がっている。
ランキングの対象である23年12月期の通期決算(連結)は、売上高115億5200万円(前年同期比22.0%増)、営業利益9億9800万円(同8.6%増)、純利益5億2100万円(同12.4%減)で増収減益だった。
なお、23年12月期時点で売上高は7期連続、営業利益と経常利益は5期連続で過去最高を更新しているものの、減益だった理由が興味深い。
取締役会長だった伊知地俊人氏の退任に伴う「創業者功労金相当額2億円」を特別損失として計上したことで、純利益が22年12月期の5億9400万円から7300万円減少し、割合にして12.4%減となったのだという。成果を給与に反映する不動産業らしさや、創業者を重んじる企業風土が透けて見える。
なお、同社の24年12月期の通期決算(連結)は、売上高132億1300万円(前年同期比14.4%増)、営業利益11億2000万円(同12.2%増)、純利益7億1000万円(同36.2%増)で前年比増収増益。
流通事業におけるインターネット集客の強化や中古住宅のリフォームが人気を集めたほか、愛知県名古屋市や兵庫県伊丹市における戸建ての開発分譲の販売が好調だったことなども売上高の増加に貢献している。
3位は、通常の不動産のほか、自殺・殺人・孤独死などが起きた心理的瑕疵物件や空き家、再建築不可物件などユニークな不動産の買い取りや再生、販売を手掛ける不動産業のAlbaLink(東京都江東区)。訳アリな物件は流動性が低いが、積極的に扱っている。
23年11月にTOKYO PRO Marketに上場したので、今回がランキング初登場。平均年収が668.8万円(従業員数58人、平均年齢29.2歳)でいきなりランキング上位に躍り出た。
4位は起業支援や人材紹介を手掛けるフォースタートアップス(東京都港区)で、平均年収629.2万円(従業員数191人、平均年齢29.8歳)。20年3月に東証グロース市場に上場した会社で、こちらも今回がランキング初登場だ。
5位はクラウドインテグレーターのFIXER(東京都港区)で、平均年収609.6万円(従業員数269人、平均年齢28.4歳)。23年度版では9位で、平均年収は572.1万円(従業員数195人、平均年齢28.6歳)だった。1年で平均年収が37.5万円アップし、順位も4ランクアップした形だ。
ここまでの5社は平均年収600万円台だった。
6位以下は、平均年収500万円台が13社、400万円台が23社、300万円台が7社となっている。AIシステムの開発などで知られるユーザーローカルや、ルミネなど若者に人気の駅ビルに出店している「UNITED TOKYO(ユナイテッド トウキョウ)」などのファッションブランドを擁するアパレルメーカーのTOKYO BASEがランクインした。
ランキング完全版では、6位以下の全48社の順位と平均年収を掲載している。どのような企業が並び、平均年収はどうなっているのか。ランクインする企業の顔ぶれは毎年変化が大きいので、ぜひ、チェックしてみてほしい。
(ダイヤモンド・ライフ編集部)