一つの経済政策の誤りは、その誤りによる損害を埋め合わせるために必ずもう一つの誤りにつながる。その最新の例は、ドナルド・トランプ米大統領が導入した関税措置に外国が報復することで被害を受ける米輸出業者向けの税優遇措置を、トランプ政権が新設する可能性があるとの報道だ。米国内にいる多くの関税被害者に支払う費用が、最終的に関税による収入を上回ることになったとしても驚いてはいけない。交渉を通じてトランプ関税の引き下げを目指す国もあれば、反撃に出ている国もある。中国はすべての米国製品に対し、トランプ氏による最新の対中関税に合わせて125%の関税を課しており、この関税により米国の対中輸出は事実上中断されるだろう。米自動車大手フォード・モーターは、ミシガン州で生産したピックアップトラックやスポーツタイプ多目的車(SUV)、スポーツカーの中国向け出荷を停止した。