金融市場は今月、世界の貿易をつくり替えようとするドナルド・トランプ米大統領の野心的で場当たり的な試みについて、不吉なメッセージを伝えている。願い事には気を付けろというメッセージだ。米国債市場の乱高下と予想外のドル安は、通商紛争として始まったものがもっと危険な「資本戦争」に姿を変える可能性があることを示唆している。この衝突は、米国が長年維持してきた金融分野における優位性を損なうことにより、米国の借り入れコストを上昇させる恐れがある。この優位性が長期にわたり何兆ドルもの外国資金を米国に引き込んできた。グローバルデータTSロンバードの米国担当チームエコノミスト、スティーブン・ブリッツ氏は「資本フローの面を壊さずに貿易を壊せるという考えは幻想だ」と述べる。