「偏差値が低い学校は無意味」「落ちたら公立でいい」→中学受験のプロが「かなり危険」と断言するワケ〈再配信〉Photo by Ryosuke Kamba

読者の反響が大きかった記事を再配信します。(記事初出時の公開日:2023年11月24日)

中学受験が空前の盛り上がりを見せている。保護者の伴走が必須と言われる中受では、子ども以上に親のメンタルが試される機会も少なくない。そんな保護者たちの「あるある」な悩みに、受験指導のプロで教育系YouTuberの“にしむら先生”こと西村創さんがズバッと答える「中学受験お悩み相談室」。第11回は「落ちたら公立に行けばいい」は本当か?を掘り下げる。

【Q:地方の公立進学校出身の夫は「偏差値が高い有名校でなければ、わざわざ中学受験する意味はない」という考え方の持ち主で、子どもにも常々「第一志望に受からなかったら地元の公立に行け」と言っています。強気な受験をした結果、「全落ち」して子どもが傷つかないか心配です】

(※質問内容は、編集部で作成した架空のモデルケースです)

地域や時代で常識は変わる

――夫婦間で中学受験に対する温度差があり、中学受験の経験がない夫は内心「公立でいいじゃないか」と思っている。一方で妻は「全落ち」させたくないし、心配だと。仮にこういった相談があったとしたら、にしむら先生ならどう答えますか。

 住んでいる地域によっても変わりますが、東京は日本全国のなかでも特殊なエリアです。埼玉、神奈川、大阪などの都市部も少し近い傾向にあります。

 東京以外の日本のほとんどの学校は「公立優位」。地方だと、勉強があまりできない子が「公立のトップは無理だし、2番手、3番手も厳しいから私立に行こう」という考え方なんですよね。