「鎧」を脱ぎ
「弱さ」を共有、共感を得る

重要なキーワードは「鎧を脱ぐ」「ヴァルネラビリティ」。後者は見慣れない言葉かもしれないが、傷つきやすさ、脆さ、脆弱性、不安な気持ちなどを意味する。
「鎧」とは、本書では「傷つく可能性に立ち向かう意欲や能力がないときに自分を守ろうとする思考、感情、行動」とされている。
勇気を出してその鎧を脱ぎ、自身のヴァルネラビリティと向き合い、時にそれをオープンにする。ヴァルネラビリティをメンバーたちと共有し、状況を正しく理解してもらう。そうした行動が信頼や共感につながる。
著者によると、ヴァルネラビリティにはいくつかの「誤解」があり、その1つに「ヴァルネラビリティはさらけだすことである」というものがある。
リーダーはメンバーに対し何もかもさらけだすべきではない。例えば「資金繰りに困っていてピンチ」という状況があったとして、それをそのままメンバーに伝えても、不安を広げるだけだ。
同情を得たり、自分を正当化したりすることを目的とした「ヴァルネラビリティのオープン化」は、意味がないし、しばしば逆効果になる。同情や正当化が、自らを守る「鎧」となってしまうからだ。
GW中に、一度時間をとって、自分が無意識にもどんな鎧を脱げずにいるのか、確かめてみるのもいいだろう。それと同時に、メンバーの鎧も気にかけてみる。それだけでも、連休明けのチームコミュニケーションが大きく変わっていくのではないだろうか。