
特集『エスカレーター校 クライシス』の続編として、連載『教育・受験 最前線』で女子大学を擁する15学校法人について、入試偏差値など表に広く出回る情報からは分からない「裏・成績表」を大公開する。前回(『日本女子大、昭和女子大、武庫川学院…「黒字を出す女子大」が持つ共通点の“なるほど”【6女子大の裏・成績表】』参照)に続き今回取り上げるのは、赤字を出した大妻学院、恵泉女学園、白百合学園、聖心女子学院、東洋英和女学院、フェリス女学院、金城学院、海星女子学院、神戸女学院の9学校法人。赤字幅が大きい学校法人の共通点とは?(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)
「女子大離れ」の大逆風
赤字幅が大きい学校法人に共通点
女子大学を擁する学校法人にとって若い世代で進む「女子大離れ」は、経営への強烈な逆風だ。一貫教育を施すエスカレーター校の場合、中学や高校までは進学校として人気があっても、大学には内部進学してくれず、外部から入学者を集めきれないで定員割れにあえぐというパターンがよくみられる。
名門として知られている学校法人でも例外ではない。財務数値でみると、大妻学院、恵泉女学園、白百合学園、聖心女子学院、東洋英和女学院、フェリス女学院、金城学院、海星女子学院、神戸女学院は2023年度実績で、企業でいう経常利益に当たる「経常収支差額」(経常収入-経常支出)が赤字となった。この9学校法人の過半は、大学が定員割れ(収容定員ベース)になっている。
次ページでは、9学校法人について、入試偏差値など表に広く出回る情報だけでは見えてこない学校法人の実力をあぶり出した「裏・成績表」を大公開する。ダイヤモンド編集部が独自に設定した6つの指標で、稼ぎ、教職員の充実度、定員割れの状況などを評価したものだ。赤字幅が大きい学校法人には、共通点がある。