氏から聞いた印象評価は「やはりそうか」と、納得できるものでした。
強烈な上昇志向やアグレッシブな姿勢を前面に出す人物は、逆に危うさが潜んでいるのではないかと疑ってかかるそうです。
また、いくら丁寧な受け答えであっても、ちょっとした言葉から自己過信や自信過剰、あるいは慇懃(いんぎん)無礼な態度を感じ取ることができるとか。ちなみに、自分自身の評価については、恐ろしくて聞くことができませんでしたが。
次に、転職活動をしていない即戦力たりうる人材や、職場環境が変われば即戦力となりうる人材の発掘と交渉に注力しているという点です。それはまるで、ダイヤモンドの原石探しのようです。
ヘッドハンティングとは、そもそも高額な報酬をインセンティブ(動機付け)として優秀な即戦力の人材を引き抜く仕事であって、通常の転職とは次元の違う世界だと、私は思い込んでいました。
輝かしい経歴を引っ提げて乗り込んできたプロ経営者が、トップダウン型の経営手法によって「○○マジック」と呼ばれるがごとく、手腕を発揮する姿を見ることがヘッドハンターの醍醐味であるとは、私の勝手な想像でした。
しかるに、どの企業でいかに経営に携わったかが重要とのこと。欧米型企業の求めるプロ経営者が日本企業で失敗した事例は興味深く、人間関係を重視した業務遂行が基盤となっている日本企業の組織文化や意思決定の特徴を再認識しました。
クライアントに合致した候補者をえりすぐって紹介するという眼力勝負のヘッドハンティングの奥深さに魅了されました。学生の就職支援も個人面談を繰り返して、思考と行動の特性を見極めることが肝要であると痛感した次第です。
楽しくない会食で得られたもの
「○○も身だしなみの1つ」
過日、道内大手企業を退任された取締役経験者の方と、書店で偶然お会いしました。現役時代には学生の就職でお世話になりましたので、コーヒー店にお誘いをしました。「悠々自適ですね」と話しかけると、「ないないづくしから開放されて、元気にやっています。辞めてよかったです」との言葉が返ってきました。