四次元ポケットがないドラえもん?それ、ただの青いネコ型ロボやん…それでも愛される“日本のロボ文化”の謎写真はイメージです Photo:PIXTA

ロボットとは本来、人に代わって大変な作業をするために作られるものだ。しかし、日本でロボットというと、「ドラえもん」や「アラレちゃん」などを思い浮かべる人も少なくないだろう。これらのいわば「役に立たないロボット」たちに、日本人はどんな価値や役割を見出しているのだろうか?一緒に考察していこう。※本稿は、谷明洋『役に立たないロボット 日本が生み出すスゴい発想』(集英社インターナショナル)の一部を抜粋・編集したものです。

漫画やアニメに出てくる
「役に立たないロボット」

「役に立たないロボット」と言われたら、どんなイメージが思い浮かぶだろうか?

 筆者がなんとなく思い浮かべたのは、長方形と円形のガラクタを集めてつくったポンコツ感満載の工作のようなものだ。そのようなものを小さい頃に、ティッシュの空き箱とトイレットペーパーの芯でつくったこともあった。

 幼少期に見た漫画やアニメにも、いろいろなロボットが出てきた。『ドラゴンボール』(鳥山明)のハッチャンこと「人造人間8号」は、優しすぎて「悟空」をなかなか助けられずハラハラさせてくれた。映画『オズの魔法使』に出てきた「ブリキの木こり」も、あれがロボットかどうかはさておき、なんだか頼りなかった。

「役に立たないロボット」について思い浮かぶイメージを友人に聞いてみると、「『ドラえもん』こそ役に立っていないよね。四次元ポケットの“ひみつ道具”がすごいだけで」という返事だった。確かにそうかもしれない。そういえば、『キテレツ大百科』(ともに藤子・F・不二雄)の「コロ助」も……いや、あれはからくり人形か。