
いま最も注目を集めている若手俳優のひとり・河合優実が、朝ドラこと連続テレビ小説『あんぱん』(NHK)で主人公のぶ(今田美桜)の妹・蘭子を演じている。朝ドラ初出演。控えめだが芯の強い次女という難しい役どころを好演している。
河合は2024年、流行語大賞をとった連続ドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)でヤンキー女子高生を演じて注目を浴び、主演映画『ナミビアの砂漠』は第77回カンヌ国際映画祭・国際映画批評家連盟賞を受賞し、活躍の場は世界にも広がっている。
80年代の純情な不良女子高生、令和の「いじわるで、嘘つきで、暴力的」なやり場のない思いを持て余す人物、そして昭和初期、制度に縛られ生きている蘭子と、自在に演じる若い才人。『あんぱん』の制作統括・倉崎憲チーフ・プロデューサー(CP)は「ずっと見ていたくなる」と俳優・河合優実の魅力を語る。
彼女はいったいどんな人でどんなことを考えて演じているのだろう。取材会で話を聞いた。(聞き手・構成/ライター 木俣 冬)
朝ドラオーディションは
何度も挑戦してきた
「これまで朝ドラのオーディションを受けたこともありますし、今回もヒロインオーディションを受けました。朝ドラに対して抱いていたイメージは『特別な枠』です。毎日放送されて、日本中でこんなにたくさんの方々が見ているドラマは他にはないですよね。我が家でも、私が子どもの頃から家族が見ていたので、私も自然と見ていて記憶に残っています」
無意識に生活に溶け込み記憶に残っていく、それが朝ドラ。
「『あんぱん』に出演することが決まって、家族や親戚がすごく楽しみにしてくれて。毎朝、日本中のお茶の間に流れることを実感し、出演する嬉しさがとても身に染みました。私がそうだったように、『あんぱん』が誰かの記憶に残ればいいなぁと思っています」
河合が演じる蘭子は、三姉妹のなかでは控えめだが芯の強い次女。蘭子と自身は似ているところはあるのだろうか。