「経験を伝える作業も、僕に与えられた任務というか役割のひとつだと思っています。意識せずとも、代表に来ると熱い思いが込みあげてくる。チームのなかで多少は空回りしている感じもありましたけど、いまは食事の席などでも、僕のエネルギーが受け入れられている感覚があります。居心地がいというか、暑苦しい話を一緒にできる後輩の仲間たちが新たにできたのは本当にうれしいですね」
5回目のW杯行きを目標に
「逆算しながら取り組んでいる」
カタール大会後に現役続行を決めたときから、長友は「5回目のワールドカップにいく」と日本人選手で初の偉業を目標に掲げた。世界でもアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドら7人しか達成していない大記録への挑戦を、笑顔でこう語る。
「自分のなかでそこから逆算しながら、いろいろなものに取り組んでいます。代表メンバーを決めるのは森保監督ですし、偉そうにこう言うとまた批判されて叩かれると思いますけど、それもエネルギーに変えていきたい。やるべきことが多すぎて、本当に時間が足りないくらいですよ」
コーチ役うんぬんではなく、ピッチ上におけるパフォーマンスで、5回目のワールドカップ代表を手繰り寄せる自身の姿しか思い描いていない。常に前を向き、逆境が大好物だと不敵な笑みを浮かべ、思考回路をポジティブにフル稼働させながら周囲を巻き込んでいく姿は、39歳が近づくいまも変わらない。
ワールドカップ出場を決めた森保ジャパンは来たる6月シリーズから、北中米大会へ向けたチーム強化と選手選考を同時進行させる戦いに移行する。5日に敵地パースでオーストラリア代表と、10日には大阪でインドネシア代表とアジア最終予選の残り2試合に臨む代表メンバーは23日に発表される。