オリンピック男子サッカー出場国が16→12に削減、IOCとFIFAの“暗闘”からひもとく衝撃の理由とはパリ五輪では準々決勝でスペインに敗れた日本 Photo:JIJI

オリンピックの男子サッカー出場国数が、現状の「16」から「12」へ大幅に削減された。国際オリンピック委員会(IOC)が女子サッカー出場国数と入れ替えた背景には、国際サッカー連盟(FIFA)の提案があったというから驚きだ。そもそも人気種目でもある男子サッカーは、なぜオリンピック競技で唯一、23歳以下という年齢制限が設けられているのか。男子サッカーを巡ってIOCとFIFAが繰り広げてきた暗闘の歴史をひもときながら、日本サッカー界が取るべき道を探った。(ノンフィクションライター 藤江直人)

オリンピックの出場国削減で
アジア予選がさらに厳しく

 オリンピックの人気競技のひとつ、男子サッカーを取り巻く状況が大きく変わる。2028年の次回ロサンゼルス大会から、出場国数が現状の「16」から「12」へ大きく削減されたからだ。

 国際オリンピック委員会(IOC)が4月9日の総会で正式に決めたもので、入れ替わる形で女子サッカー競技の出場国数が「12」から「16」へ増える。男子の大陸ごとの出場枠は未定だが、日本が所属するアジアは現状の「3.5」から「2.5」か「2」へ削減されるのは必至となった。

 IOCの決定を受けて、自らも現役時代に2000年のシドニー五輪に出場した経験をもつ、日本サッカー協会(JFA)の宮本恒靖会長は次のようなコメントを発表している。

「男子に関して、オリンピックへの出場枠が減ったことでアジア予選がさらに厳しくなることは間違いない。アジアの出場枠が最終的に何枠になるのかは現時点で認識していないが、一戦一戦が負けられない戦いになる。(中略)JFAとしても出場権獲得に向けて全力で取り組んでいきます」