わが子がぐんぐん伸びる!中高一貫校&塾&小学校【2026年入試版】#23Photo:PIXTA

中学受験ブームが継続する中、受験者数を伸ばしているのが「中堅校」だ。偏差値だけでなく、わが子の興味関心を伸ばす環境を選ぶ保護者が増加しているからだ。そこで特集『わが子がぐんぐん伸びる!中高一貫校&塾&小学校』の#23では、本命校候補としても併願校候補としても注目したい「プロ3人が厳選した偏差値30台、40台から狙えるお薦めの17校」を一挙に紹介する。改革の意識が高く、「手厚い」学校が多いのも特徴で、学校のタイプも共学、別学、大学付属、国際系……などバラエティーに富むので、ぜひチェックしてほしい。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)

総合型選抜入試のサポートなど
「手厚さ」も中堅校の魅力

 近年の高水準の中学受験率をけん引するのが「中堅校人気」である。2025年度入試では男女御三家など最難関校が受験者を減らした一方、中堅校では志願者を増やした学校が目立った。

 その勢いは26年度入試でも継続しそうだ。実際、25年に開催されたさまざまな私立中学・高校進学相談会においても、勢いのある中堅校のブースは相談者が列を成しているのだ。

 中堅校人気の背景には二つの要因がある。一つは受験者が増加したことによる「中学受験のカジュアル化」だ。受験生が増えた結果、ボリュームゾーンの戦いが激化している。

 そして多くの識者が指摘するもう一つの理由は、「保護者の価値観が幅広くなっている」ことだ。コロナ禍で私立中学がSNSでの発信を強化し、中堅校の良さや特徴を保護者がつかみやすくなったことも学校選びの多様化を加速させた。

 首都圏模試センター教育研究所長の北一成氏は「保護者の志向が『御三家を筆頭とした最難関校を目指す受験』だけではなくなっている。わが子に合った学校、入学後に伸ばしてくれる学校を選ぶようになっている」と解説する。

 個別指導塾「Growy」代表のユウシン氏も「中堅校には、多様性を認めつつ、日々の学校生活から大学入試の総合型選抜のサポートまで手厚い学校が多い。また、過度な負荷をかけるのではなく、中学受験を教育の一環として捉えている家庭の増加も中堅校人気につながっている」と指摘する。

 大学入試において総合型選抜の割合が増加するなど、世の中で求められる力の変化を前向きに捉える保護者も少なくない。そして、中堅校ほど生き残りを懸けた改革への意識は高い。

「SAPIXなどに低学年から通って難関校を目指す受験、4年生からスタンダードな進学塾に通って合格を目指す受験、入試直前まで習い事と両立する受験、5年生後半以降からの駆け込み受験など、中学受験に挑む家庭が三極化、四極化してきている。英語資格を生かした受験も増えている。それぞれ独立しているというよりは、重なり合っている印象だ」(北氏)

 一方、注目度が高まっているにもかかわらず、中堅校の情報は御三家や早慶付属などの難関校と比較すると注目されるまでに時間がかかる。中堅校は学校の数も多いだけに、わが子に合った学校を選ぶのが難しいのが現状だ。

 中堅校の学校選びについて、スタジオキャンパスの矢野耕平代表は下記のようにアドバイスをする。

「偏差値の2、3の違いにこだわるのではなく、まずは先入観にとらわれず、たくさんの学校を見学してほしい。そして、わが子が楽しく6年間通えて、子どもを安心して預けられる学校を一つでも多く見つけてほしい」

 次ページでは専門家3人が厳選した中堅校17校を推奨理由と共に一挙に紹介する。偏差値は日能研偏差値で30台から50台前半までの学校群だが、各校とも独自の魅力を持っている。

 学校のタイプも「男女別学と共学」「進学校と外部進学も可能な大学付属校」「伝統校と新興校」「自由型と面倒見のいい学校」など選択の軸が複数あるので、わが子に最適な学校を選びやすいはずだ。

 多くの識者、中学受験を経験した保護者が述べるように「わが子に通ってほしい学校」を多く用意しておくことは、受験直前期の安心感にもつながる。本命校候補としてはもちろん、併願校候補としてもぜひチェックしてほしい。