わが子がぐんぐん伸びる!中高一貫校&塾&小学校【2026年入試版】#19中国・九州地方で入試の志願者数が減った学校、増えた学校の違いは?(写真はイメージ) Photo:PIXTA

中国・九州地方の中学受験者数は、減少に歯止めが掛からない。少子化や高校授業料の無償化の影響が表れている一方、受験者数を伸ばしている学校もある。その理由は。特集『わが子がぐんぐん伸びる!中高一貫校&塾&小学校』の#19では、入試の志願者数データを基に、中国&九州地方エリアの中学受験の動向を分析する。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)

中国地方で受験者数を伸ばす
鍵は「トップ校との差別化」

 中国エリアの中学受験は、広島県と岡山県で特徴が大きく異なる。

 広島県では、共学校では広島大学附属(国立)、男子校では広島学院、女子校ではノートルダム清心が、それぞれトップ校と位置付けられている。次いで、男子は修道、女子は広島女学院が2番手校として広く受験対象とされており、この2校は中学受験に挑戦する層にとって、学力にかかわらずほぼ必須の受験校とされている。

 そのため、「受験動向を観測する際には、この2番手に当たる修道と広島女学院の志願者数の増減が、重要な指標となる。今後については、高校授業料の無償化の影響により、私学志向がさらに強まる可能性もある」と、日能研関西の森永直樹氏は話す。

 一方、岡山県では、広島県のように「受験必須」とされる明確な2番手校が存在しない。そのため、受験生は特定の学校に集中せず、各校に分散して出願する傾向がある。そんな事情から、岡山県の中学受験の動向を把握するには、学校ごとに受験者数の増減を比較・分析するアプローチが有効である。

 広島県も岡山県も、2025年は全体的に受験者数が減少傾向だが、一部の私学では受験者数が伸びている。これは、「首都圏・関西圏の進学校に見られるような先進的な教育を導入し、トップ校との差別化をしながら、従来の詰め込み型教育からの脱却を図っている」(森永氏)からだ。

次ページでは、岡山、広島の両県と、九州エリアの中学受験の志願者数の具体的なデータを掲載する。これらのデータを基に、中国・九州地方の中受の最新トレンドを分析。さらに、各校で志願者数が増減した理由についても明らかにする。