中国は米国債の大口保有国だが、米国への報復として米国債を売却するだろうか。これは、先週のニュースレターでの私の「何でも聞いてください」という呼びかけに対し、フロリダ州のダニエル・ウィル氏を含む多くの読者から寄せられた質問だ。端的に言えば、答えはノーだ。理由は単純だ。中国は自国で金融危機を引き起こすことなく、保有する大量の米国債を売却することはできない。先週、中国政府の顧問を務める人物がわれわれに語ったように、習近平国家主席は毛沢東的な考え方を採用し、米国との長期的な闘争に備えようとしているが、「習氏にとって重要なのは、大きな危機であっても自身の権力掌握を危険にさらすことがあってはならないということだ」。中国が保有する巨額の米国債を清算すれば、金融危機は確実に起こるだろう。
中国が躊躇する切り札:米国債の売却
WSJによる中国に関する独自分析(5月7日号)
有料会員限定
あなたにおすすめ