その上で、断る理由を明確に伝えましょう。

 例えば、日程の都合で断る場合は、

今業務が立て込んでおりまして、ご提案いただいた日程での対応は非常に難しいです。
ただ、来月の1日以降は対応可能なので、またこういった機会がありましたら、よろしくお願いいたします。

 というように、次の布石を打っておきます。

 先ほどの「今後は関わりたくないケース」とは逆で、理由を伝えることで、次の依頼のきっかけになります。今回断ったポイントの改善ができれば、取引可能であるという意思表示になるのです。

メール写真はイメージです Photo:PIXTA

 社内の場合は、代案を出すといいですね。

 例えば、上司から「今週、別のプロジェクトを手伝ってくれないか」と言われた場合、「無理です」とだけ伝えると、どうしても角が立ちますよね。

 そこで、「今週完了予定のA案件を抱えていて、これを来週に回してよければ対応可能ですが、どうでしょうか」「木金でしたら対応可能ですが、いかがでしょうか」というように代案を出します。あるいは断る場合も、「今週中にA案件を完了しなければならないので、お断りします」と理由をきちんと説明します。

 これができない人は、「やります」と安請け合いして、後からスケジュールどおりに進められそうにないということになりかねません。

 断るスキルは、対取引先だけでなく、社内でも活用可能なのです。

ひらの・ともあき/一般社団法人日本ビジネスメール協会代表理事、株式会社アイ・コミュニケーション代表取締役。筑波大学卒業後、広告代理店を経て独立。ビジネスメール教育の第一人者として、研修・講演は年間150回超、メディア出演は1500回以上。官公庁や企業などで幅広い層へ指導・コンサルティングを実施。著書は『ずるいメール術』(PHP)など38冊。メルマガ「毎日0.1%の成長」も配信中。