フランス車には珍しく「新規客ばっかり」なベルランゴ
輸入車にはコアなファンが多い。あるブランドに惚れ込むと、そのブランドのクルマに傾倒し、乗り続ける。買い替える時も同じブランドを選ぶ。特にフランス車にはその傾向が強い。ルノーの人はルノーに乗り続けるし、シトロエンの人は次もシトロエンを選ぶ。
ところが今回取り上げているシトロエンのベルランゴは、今までと少し様子が違うようだ。
前回も触れたが、とにかく新規の客が増えているのだ。実に8割から9割が他社からの乗り換えで、「初めてシトロエンに乗る」人がほとんどなのだという。

Stellantisジャパン フレンチブランド事業部 事業部長 小川隼平さん(以下、小):先程もお話しましたが、現在、日本でのシトロエンブランドは、このベルランゴの“一本足打法”です。いま日本で売れているシトロエンのほとんどがベルランゴという状態です。“ベルランゴが人気車種”という事もありますが、ちょうどいまラインナップ入れ替えの端境期に当たるので、他に売るものが限られている、という背景があります。
フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):「ライトなユーザーが増えている」というお話も実に興味深いです。今までフランス車を選ぶ人は、「これでなければダメ」という人がほとんどだった。そこに新しい客が入ってきた。国産車からの乗り換えがほとんどだというところも興味深い。
日本は先進国の中でもダントツで輸入車比率の低い国です。アメリカは5割が輸入車、ドイツでも4割近くが輸入車ですが、日本は1割もありません。そんな中で、ベルランゴは大変な健闘をしていますよね。
小:ありがとうございます。国産からの乗り換えで新規のお客様を取り込もうとすると、クルマとしての魅力は当たり前ですが、やはり大事なのは価格帯です。