ライバルは「輸入車ミニバン」、はっきりいえば「カングー」
F:国産の乗り買えからが多いとの話ですが、クレームは来ませんか。コンビニ袋をかけるフックがないとか、USBの穴が少ないとか……国産車に乗り慣れた人から、そういう細部のギミックに対する文句が出てきそうな気がします。
小:いや、ここがダメじゃないか、という話は全く上がってきませんね。そもそも電動スライドドアではないとか、そういう部分はみなさんしっかり理解されたうえで乗られているので。
F:SUV全盛の乗用車市場の中で、どのように戦っていかれるおつもりですか?
小:我々に「SUVと戦っている」という意識はありません。またラインナップにSUVがありますから、それはそちらを買っていただければ何の問題もありません。戦っているのは輸入車ミニバンです。有り体に言えばカングーです。もともとカングーは年間2000台くらいのマーケットだったのですが、それが今は5000台くらいにまで増えてきている。そこにいろんなメーカーがどんどん良いクルマを出してきたので、このカテゴリーが広がってきているという印象がありますね。これから狙うべき相手は、既にたくさんの保有がある、そして大変な需要のある国産のミニバンです。そこを狙っていかなければいけません。
シトロエンよりもプジョーのほうが上
F:なるほど。今回はシトロエンの方に乗せていただきましたが、プジョーには兄弟車でリフターがあります。これはどのように違うのですか?昔のマークIIとチェイサーみたいなもので、バッジが違うだけですか?
小:差別化をしています。共有している部分もありますが、デザインを含め、世界観が全く違いますので。値段もリフターの方が高いですし、元々ブランドのポジションとしてプジョーの方が上の上位なんですね。シトロエンに対して。
F:シトロエンよりプジョーの方が上?
小:ブランドヒエラルキーというものがあって、プジョーのほうが上位になります。ですがコストレベルで見てシトロエンが低いかというと決してそんなことはない。ブランドとしては大衆向けにしていますが、シートはいいしエンジンももちろん良い。足回りも独特のこだわりがある。要するに大事なところにはしっかりコストがかかっている。