EV仕様のベルランゴ、日本には入れないんですか?
F:なるほど。本国ではベルランゴのEV仕様があるのですか?
小:あります。
F:日本には入れないのですか?
小:需要があればもちろん入れますが……今のところ大きな需要は見込めません。あとはコストの問題ですね。どうしてもEVは高くなってしまうので。
F:では今のところ白紙状態。検討すらしていない?
小:ゼロではありませんが、「頭の隅にある」くらいの話です。
F:長く輸入車を扱っておられるプロからすると、今回の値下げでステランティスのクルマは「相当お買い得になった」と言えますか?
小:うーん、「相当お買い得か?」と聞かれれば、単純に「はいそうです」とは言えませんね。
F:例えば「ゴルフを買うのならシトロエンを買ったほうが得ですよ」、という言い方はできませんか?
「ピュアICEでディーゼル」なフランス車を買う最後のタイミングかも
小:そう言い切るのは難しいです。先ほど申し上げた通り、円安もありますし、輸入車全体がそもそも「お買い得」とは言い難い状況にありますから。
ただ、今回フェルさんに乗っていただいたディーゼルは本当に良いです。プジョーのリフターにも同じエンジンが積まれていますが、あのディーゼルの完成度は非常に高いです。誇張ではなく、いま欧州最高、最強のレベルにあると思います。
そしてこれから乗用車はどんどんマイルドハイブリッドに切り替わっていきます。これはウチだけではなく、欧州全体の流れがそうなっている。だから実は今買える「ピュアICEでディーゼル」というのはものすごく貴重だと思います。特にプジョーは。

欧州の「全てのクルマをEVに」というムチャな流れはいったん収まった感があるが、マイルドハイブリッドやPHEVを含め、電動化への大きな潮流は変わらない。もしかすると現行のベルランゴとリフターが、最後の仏製「電気の力を借りない純エンジン車」になるかもしれない。ICE好きの方は今のうちに仕込んでおいたほうが良いかもしれない。