家庭ではどんな対策をとればいいのか?
孫は祖父母が対応。娘は残業代で稼ぐことに……
では、年金受給額の少ない高齢者の佐藤さん夫婦は、どう対策をとればいいのでしょう。
孫と2人の自立しない娘と息子への支出も増え、急に収入が減った佐藤さん夫婦は、年金だけでは暮らせません。貯金は100万円もありません。
まず、佐藤さんは仕事を探しました。ただ、腰痛がひどいため、コンビニや販売など体力を使う仕事は難しく、ましてや孫を抱っこして遊ぶのも苦痛です。そこで事務職を探しましたが、高年齢なのでなかなか見つかりません。
そこで、佐藤さんは、孫のお迎えを担当することにしました。腰に気を付けながら保育園にお迎えに行くことにしました。
その代わり、その時間、娘には残業してもらいました。残業代は、通常勤務よりも25%割り増しなので、時給1800円が2250円になります。社会保険料などが引かれますが、残業代だけでも月5万円が増加しました。この分をまるまる家族の食費に入れてもらうことにしました。
妻にもパートを探してもらうことにしました。パートにかかる費用を極力抑えるために制服があり、比較的、忙しくない仏壇店や、装飾、紳士服などの店に応募しました。
世帯分離によって
息子は国民年金の免除を受ける
少子化で現役世代の数が減る一方で、医療費、介護費用が増加しており、今後は年金などの受給額はあてにできず、社会保険料などは増えていく懸念があります。
とはいえ、せっかくこれまで払い込んでいるので、制度を賢く利用することを考えました。
フリーランスの息子は、国民年金の受給対象です。国民年金の場合、所得が一定額より低い場合には保険料が免除できる制度があります。
免除される額は、「全額」「4分の3」「半額」「4分の1」の4種類があります。保険料の「全額」が免除された期間は、保険料を全額納付した場合の年金額の2分の1を受け取れるので、条件としてそんなに悪くありません。