上司に求められるものは
「会社を良くしたい」という思い

 私は39歳の時、SHIBUYA109のアパレルショップで「雇われ店長」という形で就職しました。若い女性に洋服を売っているのと、現在のドムドムではお客様も違いますし、共に働く従業員の雰囲気も違います。けれども仕事に向き合う姿勢は変わりません。

 また同じドムドムという企業でも、商品開発、店長業務、スーパーバイザー、そして社長と経験してきましたが、仕事の内容は変わっても、やはりそこに向かう気持ちは同じなのです。ですからポジションによっての向き不向きや、管理職に向いていない人というのも本来いないと思うのです。

 仕事をする上で必要なことは第1回で述べたように「準備」「想像力」、そして上司に求められるものは「お店(会社)を良くしたい」という思いです。これがあればどのポジションでも必ず成功していくと考えます。

「未熟な上司」の言い方に
気分を害したときは

 また部下の方に気をつけてほしいのは、仕事で上司から注意を受けたときです。未熟な上司の場合は言い方が悪かったりして気分を害することがあるかもしれません。でも仕事内容についての注意であって、あなたの人格を否定しているわけではないということを心にとどめてほしい。

 時に、自分が全否定されたと受け取って落ち込んでしまう人がいるのです。若い方だけでなく、ベテランの方であっても悩む人がいるようです。でも、人の性格はなかなか変えられないですから、「受け取り方」を改めたほうが自分自身が楽になりますよね。

 職場は、あくまで仕事を達成するための人間関係と割り切りましょう。注意を受けたり否定をされたりしても、それは仕事にまつわること。人間関係にフォーカスするのではなく、日々の仕事に集中してほしいと思います。

スタッフの満足度が高くなければ
イノベーションは生まれない

 ドムドムではお客様に対し、心を尽くす、優しい接客を心がけていると述べました。私は社長としての第一義に「思いやり経営」を掲げています。スタッフとお客様が何を考えているかを察知して、満足していただくこと。

 社長の私が各店舗を回って「何か困っていることはありませんか」と尋ね、信頼関係を構築し、働く人の満足度が上がるといいなと思っています。ドムドムは「ファーストフードはこうあるべき」というものから逸脱した商品ばかりですが(笑)、イノベーションはスタッフの満足度が高くなければ生まれないからです。

 スタッフが職場に満足して仕事を頑張ることができる、笑顔が多い空間になり、皆さんからドムドムが愛される――。それが社長としての私の喜びでもあります。でもそれはアパレルショップの店長でも、居酒屋を起業したときも同じことを考えていた気がします。そんな私が、次回は「仕事がつまらない」と感じる人にメッセージを送りましょう。

>>第5回は2月19日(水)に配信予定です