さらなる進化を遂げて
はじめてのコラボ桶が誕生
平成25年、内外薬品は睦和商事の業務を引き継ぎ、それ以降は桶のスポンサーではなく、販売元になりました。ちょうどケロリン桶誕生から50周年の節目にあたります。
すでにケロリン桶は全国の銭湯に行き渡り、別名「永久桶」と呼ばれるほど頑丈で買い替え需要も少ないことから、その時点で業務向けへの販売を終了する選択肢もありました。
しかし、ケロリン桶はこれまで銭湯に育ててもらい、「銭湯といえばケロリン桶」になっています。銭湯文化のなかで現役だから多くのメディアに取り上げてもらえるのであり、そこにこそケロリン桶のブランド価値があるでしょう。そのため、内外薬品は銭湯に対して引き続き広告費分を値引きして納入することにしました。
コマーシャル桶から人気商品になったケロリン桶は、さらなる進化を遂げます。業務を引き継いでまもなく、はじめてのコラボ桶が誕生しました。
きっかけは、当時内外薬品で運用していた公式ツイッターアカウントと『ケロロ軍曹』のツイッターアカウントが似ていると話題になったことでした。
『ケロロ軍曹』は吉崎観音が『月刊少年エース』(KADOKAWA)に連載中のコメディマンガで、平成16年からテレビアニメ化もされ、老若男女に人気を博しています。両者の熱心なファンの後押しを受け、内外薬品とKADOKAWAの担当者が集まり、50周年のケロリン桶と15周年のケロロ軍曹の周年コラボの実現が決まりました。
ケロリン桶の進化に
発案者の山浦は……
コラボ桶の製作は「侵略?オケロロリンプロジェクト」と命名し、ツイッター上で桶のデザイン投票をしたり、製作過程を公開したりしながら盛り上げていきました。
いよいよ「ケロロ軍曹×ケロリン桶」が完成し、事前予約を開始するとわずか40分で予定数を完売、すぐに追加生産が決まります。ケロリン桶は特殊印刷のため週に1000個しか生産できないため、通常の桶の製造を休止して増産体勢をとりました。およそ半年で1万8000個を販売し、現在も定番品として店頭に並んでいます。