一方、少子化という環境で育ってきた皆さんは、昭和世代と比べると、丁寧に扱われてきたはずです。親をはじめとした身近な大人たちは、皆さんの表情や仕草から、何か困っていることがあるかもしれないと察知すれば、気を回し救いの手を差し伸べてくれたことが多かったと思います。

 社会人になると、このような機会がなくなってしまうわけではありませんが、学生の頃と比べると、残念ながら減ってしまいます。

会社に察してくれる親はいない
どんな場でも「発言」を心がける

 皆さんの先輩や上司は、皆さんの親ではありません。言葉にしてもらわなければ、何を考えているのかわかりません。

 特に職場経験の浅い時期には、会議、ミーティング、打ち合わせ等、複数の人が集まる場では、発言を躊躇してしまう人もいるでしょう。

 誰かの意見と似ていても、誰かと同じ意見でもいいので、自分の意見を口にしてください。

 意見を言わないと、「意見がない」または「何も考えていない」と判断され、消極的な人と見做されてしまう恐れがあります。

 入社後は定期的に先輩や上司、会社によっては人事部の担当者と面談の機会があるはずです。そのとき、日頃抱いている不満や要望を言葉で伝えなければ、不満や要望はないと判断されてしまいます。

 よくある例をご紹介します。

 前々回、前回と2回連続して上司との面談時に、異動したい旨を伝えたのですが、希望はかないませんでした。あきらめたわけではないのですが、3回も連続して異動したいと、しつこく主張し続けてしまうと、言う方も言われる方も、あまりいい気分はしないから、言うのをやめてしまう人が多いのです。

 すると上司は、「もうあきらめた」または「この部署にいることに納得してくれた」と判断してしまいます。

 ですから、言い続けることも大事です。

 もちろん、適切な表現方法を使うことは大切です。でも、言葉にして伝えなければ、皆さんの頭の中は相手にわかってもらえません。