そこまで親しくない人や、役職が上の人への連絡は文章の言い回しにも気を遣わざるを得ません。要は「めんどくさい」ということです。

 私の前職はいまだに電話がバンバンかかってくるような職場だったので、転職当時ZoomとSlackで仕事が完結する様子を目の当たりにして「物理的なコミュニケーションなんて古い」と思っていました。

 実際、そういったツールによって世の中が便利になりましたし、いまさら対面のコミュニケーションを推進すべきとも毛頭思っていません。使えるものはどんどん活用すべきです。

「大変だけど、やっぱり直接が楽なんだよね」リモート勤務なのに“出社する人”が絶えない理由『俺たちの転職物語』(歩兵、中尉、KADOKAWA)

 ただ、役職が上がって関わる人が多くなり、業務の進め方もより複雑になり、認識の共有やスピード感の重要性が増してくると、一定の割合で物理的なコミュニケーションがないと成り立たないと感じるようになりました。

 ほぼ出社せずにマネジメントをこなす優秀な人はいます。このあたりは能力値やメンバーとの相性、業務の難易度など複合的な要因が背景にあるかもしれませんし、繰り返しますが業種や職種によって事情は千差万別です。

 いずれにしてもフルリモートが一長一短なのは間違いありません。個人的には、定期的に出社をしながらリモートワークを基本とするハイブリッドワークが理想の働き方だと感じています。