そんな具合で「似てるけど、本来の概念とは違うよね」「でもなんかキャッチーだし、使いたいね」などと煮え切らない会話をしていたところ、歩兵が「令和の新たなマイルドヤンキー像、つまりマイルドヤンキー2.0でどうだろうか」と言いました。
既存の概念を拝借してそれっぽい造語を勝手に作り出すことへの後ろめたさも感じつつ、その場にいた誰もが「マイルドヤンキー2.0」という言葉にしっくりきていました。
「マイルドヤンキー2.0」は突き詰めていくと、思っていたより社会的に浸透しつつあるが、カチッとした定義がない現代ならではの生き方でした。
Xでマイルドヤンキー2.0に関するつぶやきをすると、多くの方からいいねなど共感の反応を受け、社会的な関心も高いことが窺えました。
今回は、我々の取材を通じて「マイルドヤンキー2.0」がどういう人たちのことを指すのか独自に分析しました。あくまで取材ベースのものなので、主観的で若干ゆる~い定義になっていることはご容赦願います。
リモートの普及によって
地元が働く拠点になった
マイルドヤンキー2.0の大きな共通点は、その舞台の多くが、地方ではなく都心へ通勤可能な近郊の「ベッドタウン」だということです。
ベッドタウンは文字通り、企業が集中する都市部で働く人たちが、夜寝るために帰る街として高度経済成長期ごろに整備が始まりました。大都市を囲むように発展してきたので、衛星都市とも呼ばれています。
ベッドタウンに住み、ベッドタウンから満員電車で都心の勤務先まで通うのがいわゆる平均的なサラリーマン像でした。そのサラリーマン像は、コロナ禍を機に大きく変わりつつあります。
「ベッドタウンに住んでいるが、仕事が在宅中心になったから東京に通勤する必要がなくなった」「都心に住んでいたけど、リモートワークになったから家賃が安い地元のベッドタウンに引っ越した」こうしたケースはここ数年で頻繁に聞くようになりました。