ドナルド・トランプ米大統領の側近らによると、目まぐるしく変わる同氏の貿易政策は、他国を不確実な状況に置くことでより良い交渉条件を引き出すための戦略であり、同氏はこれにより他国が自身の意志に従いやすくなるとみている。一方でここ数日間は、この賭けによって生じるリスクも浮き彫りになっている。トランプ氏は期限を先送りする傾向があるが、これは交渉力を弱める恐れがある。また、同氏の貿易政策の大部分を支えるため新たな法的根拠を持ち出したことで、こうした政策が白紙に戻りかねない法的課題に直面する可能性も出てきた。トランプ氏はこの1週間で20カ国以上に書簡を送り、8月1日以降に輸入業者が支払う関税について示唆したが、これによって交渉は混乱した。今回の期限は変更されず、いわゆる相互関税も同日発効すると述べつつ、各国に交渉継続を促した。
変化続けるトランプ氏の関税戦略、狙いは世界貿易再編
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