2月2日午後入試の注目校
図3の1日午後女子は1倍台半ばが中心で合格を得やすい状況だったが、図5の2日午後では、2倍以上が増え、中には5倍程度も出ている。ランク内の共学校は6つにとどまり、女子校が上位を占めているが、偏差値40台の中位校の比重が高まっているのも2日午後の特徴だろう。
午後入試の女王的存在の1位山脇学園[一般B](451人・4.3倍)が図抜けているとはいえ高倍率が続き、受験者数は23年より2割強減っている。26年も4倍台を維持するのだろう。2位恵泉女学園[2回](357人・2.6倍)は先述した通り、26年は2日午前に移動するため、この分をどこの学校が埋めるかは興味深い。
ここからは受験者数が増加傾向の入試回を見ていこう。最も勢いがあるのは7位普連土学園[2日午後2科](203人・2.2倍)で24年より落としたとはいうものの、23年比で9割も増やしている。3位跡見学園[特待2回(国語重視型)](284人・3.2倍)も同様に3割増え、倍率も3倍を超えた。26年は入試名を[国語1科]に変更、[算数1科]も追加し、両者の開始時間をずらすことでいずれも受験可能とする。受験生の獲得に向けてさらにテコ入れを図った形である。
5位東京女学館[一般学級3回](259人・2倍)は23年203人から地道に増やしている。中位校では偏差値41の12位十文字[4回](152人・2.5倍)が23年比で4割も増やして勢いがある。
安定している入試回としては、中堅校では10位富士見[算数1教科](161人・2.5倍)で、26年も同様の競争状況となりそうだ。中位校では、24年新設の18位江戸川女子[一般基礎学力型2月2日](104人・1.9倍)、同じ20位の中村[特待生2科・4科2日](100人・3.3倍)と聖セシリア女子[A方式二次](100人・2.4倍)が挙げられる。
アップダウンが激しく予想しづらいのは17位文京学院大学女子[ポテンシャル(2)(文京方式)](105人・1.9倍)で、24年は22人・1.5倍まで落ち込んでいる。
減少傾向にある入試回はいずれも偏差値50前後である。4位実践女子学園[4回(午後)](279人・3.6倍)は24年に前年比2割減らしたが、25年も戻り切っていない。さすがに3倍台後半はきついようで、26年も大きくは動かないだろう。6位大妻中野[3回アドバンスト](209人・1.9倍)は2.1倍になった24年比で3割弱減と落ち込んでいる。
神奈川では、8位カリタス女子[一般3回](181人・2.2倍)は23年比3割弱減で、倍率も3.3倍、2.7倍と緩和してきている。10位清泉女学院[3期](161人・1.6倍)は24年の197人・2倍から減らして23年並みとなった。
最後に男子の状況にも触れながら共学校を見ていこう。9位開智日本橋学園[2回](172人・4.7倍)の男子は5倍台に安定しているものの、女子は24年は201人・7.4倍まで上がるなどいささか波がある。26年は少し上乗せするかもしれない。
13位桜丘[4回3年特待チャレンジ(2科・4科)](126人・9.7倍)は、23年・24年と男子が2桁乗せをしていたように、かなりハードルが高い入試回だ。受験生は23年75人から大きく伸ばしており、26年は2桁乗せの可能性も出ている。
14位かえつ有明[2月2日午後特待](119人・5倍)と18位淑徳[スーパー特進東大選抜第2回](104人・1.9倍)は同じ偏差値53の入試回で倍率こそ大きく異なるものの、23年比でいずれも2割減らしている。26年に反発する要因はいまのところ見当たらない。
偏差値49同士の15位日本大学藤沢[2回](113人・3.1倍)と16位淑徳巣鴨[2回スカラシップ](108人・5.4倍)はどうか。日大藤沢は24年に54人まで落として25年は倍増するなど、男子同様動きが激しい。淑徳巣鴨も24年に落とし25年は23年レベルまで戻すことができなかった。男子は大きく伸ばしている点で男女の明暗は分かれている。