2月1日午後入試の注目校 

 図3の1日午後は男子と大きく異なり、上位20入試回のうち女子校が17と圧倒的だ。1日午前は4つだけだった300人以上受験生を集めた入試回が、1日午後には11と大きく増やしている。倍率3倍超のものは2つだけで、1倍台半ば程度の入試回が中心を占める。1日午後は、安心を得るための受験が中心と言っていい。

 まずは受験者数500人台と人気が集まった2つの入試回から見ていこう。23年比で2割増やした1位恵泉女学園[1回](566人・2.3倍)は、偏差値53と程良いレベルの併願先として以前から人気がある。3つの入試回をすべて午後に実施してきたものの、26年は2日午後[2回]を同日午前に移す。この背景については後述する。

 一方、23年比で1割増の2位山脇学園[国語1科](526人・3.2倍)は、同日のもう一つの入試区分である[算数1科](319人・2.2倍)と合わせると受験者数が845人に上る。偏差値も59とほぼ上位校クラスであり、1日午後の女子校では最高峰の入試回となっている。

 ここで3つある共学校の入試回を見ておこう。4位神奈川大学附属[1回](358人・2.4倍)は23年比で受験者数を1割半増、19位國學院大學久我山[ST1回](187人・1.9倍)は微増程度だが、倍率は3倍台半ばから大きく緩和した。偏差値はいずれも58と高めで、26年に大きく伸びることはないだろう。16位明治学院[1回](216人・2.4倍)は受験者数・倍率共に横ばいで、偏差値も48と受けやすい。21位相当の安田学園[2回](180人・2倍)は23年比で2倍増と人気上昇中で、26年はランク入りする可能性が高い。

 再び女子校に戻ろう。まずは受験者数が増加傾向の入試回を偏差値順に見ておこう。偏差値58の5位普連土学園[1日午後算数](352人・1.6倍)、同50の7位跡見学園[特待1回](334人・2.4倍)、同45の6位十文字[2回](344人・1.8倍)とバランスの良い難度差で並び、23年比でそれぞれ4割強増、1割増、3割半増となっている。この勢いが26年も続くか。

 25年に前年比で6割半増と大きく増やした11位神奈川学園[A日程午後](306人・1.5倍)、24年に2割増やして25年はそれを維持した18位江戸川女子[一般基礎学力型2月1日](196人・1.8倍)は偏差値46と42の中位校で、26年も人気を維持しそうだ。

 落ち着きを見せている入試回としては、9位東京女学館[一般学級2回](325人・2倍)と17位大妻多摩[総合進学2回](197人・1.3倍)がある。東京女学館は26年からの一般学級の定員削減の影響がどのように出るかだが、受験者数は抑制的だろうか。

 受験者数が減少気味の入試回も見ておこう。23年比3割減の20位晃華学園[2回](186人・1.2倍)は1.5倍あった倍率も大きく下がり、26年にはかなり狙い目となりそうだ。23年比2割減ながら、倍率はむしろ上がっている13位実践女子学園[2回(午後)](280人・3.5倍)は中堅校の仲間入りをしそうな勢いにある。

 15位湘南白百合学園[国語](223人・2.9倍)は、もう一つの入試区分[算数](179人・2.4倍)を合わせると受験者数が400人に届くものの、いずれも24年から受験者数を2割弱減らしている。3位大妻中野[2回アドバンスト](361人・1.5倍)は24年よりも1割減だ。

 24年に1割半増やしながら25年は3割減らした8位三輪田学園[1回午後](331人・2倍)、24年に伸ばし25年は減少した12位カリタス女子[一般2回](283人・2.1倍)、25年に前年比1割減となった14位品川女子学院[算数1教科](262人・2.1倍)は程良い倍率でもあり、26年には期待が持てる。