そうやって振り返ってみると、考えていた以上にこれまで自分はさまざまな経験をしているのだ、と実感します。
独立して4年間は、個人事業主としてセミナー講師をしたり、本を執筆したりしていました。5年後には社員を雇ったので経営者になりました。いまの会社を創設したのです。
会社は「ビジネススクール」
いずれは卒業すべきもの
年表は未来のぶんも考えてあります。
60歳で投資家になる、70歳でボランティア活動に勤しむ、そして90歳で人生を終える――という人生設計を立てているのです。
この年表には、子どもの年齢や親の年齢を書く欄もあります。そうやって家族の人生も同時に考えるのです。
そんな棚卸しをしてみると、60歳以降の人生がいかに長いのかに気づかされます。
ビジネスパーソンの場合、定年が65歳まで延びたとしても、90歳まで生きるとしたら25年、100歳まで生きるとなると35年もあるのです。定年後の人生を惰性で生きるには、あまりにも長すぎます。
私の知り合いで、会社を引退し、働かなくても食べていけるだけの老後の資金はあっても、働いている人がたくさんいます。彼らに「どうして働くのか?」と尋ねると、「時間があるから」「生きがいを感じたいから」「社会とつながっていたいから」と答えます。
私は、会社というのは「ビジネススクール」であり、いずれ卒業すべきだ、と考えています。
会社は、仕事を教えてくれますし、私のように海外に行くチャンスも用意してくれることもあります。しかも給料までくれる最高のビジネススクールです。
ただし、誰もがいずれ会社を辞めて起業するべきだとすすめるわけではありません。
スクールは本番に備えて訓練するところです。定年で会社を離れてからの人生が本番だと考えるなら、いまはそのために訓練する期間なのです。
なんでもいいので、「60歳で独立しよう」と考えてみてください。
起業に限らず、NPO法人やボランティア団体を立ち上げて地域に貢献するのも「独立」に含まれます。自宅でなにかの教室を開くのもいいでしょう。