選手団の来日は試合前日
三木谷会長はXで「サムアップ」
「ジェラール・ピケを経由して、まずは(バルセロナの)ジョアン・ラポルタ会長の右腕を務めるアレハンドロ・エチェベリア氏につないでもらって、エチェベリア氏と直接話をしていくなかで会長に、という感じでした。何か大変でしたね、うん。いままでで一番大変だったかもしれませんね」
焦らずにしっかりと段階を踏み、それでいてスピード感をもって実現させたトップ会談。その成果はバルセロナが無事に来日し、ノエビアスタジアム神戸で非公開練習に臨んだ26日に、スタジアム内で談笑していたラポルタ会長と三木谷氏の姿が物語っていた。ここでも三木谷氏が短い言葉で振り返る。
「いやぁ、久しぶりだね、来てくれてありがとう、と。それだけでしたけどね」
もっとも、チームはスペイン時間の24日午後にはバルセロナを発つ準備を整えていた。最終的に出発が1日遅れ、来日が試合前日の26日午前になった理由こそが、解決すべき最大のハードルだった。
バルセロナの選手やコーチングスタッフ、クラブスタッフ一行は当初、大韓航空のチャーター便で来日する予定だった。しかし、最初に声明を発表した時点でチャーター便もキャンセルされた。これを再び調整するのはひと筋縄ではいかなかったが、ここでも三木谷氏は人脈を駆使したと明かす。
「エア・アジア・グループのCEOを務めるトニー・フェルナンデスという僕の友人がいるので、そこから大韓航空の会長やいろいろな航空当局へ電話してもらって、なんとか飛べるように、とお願いしました。大韓航空にも柔軟に対応していただけて、最終的には本当によかったと思っています」
フェルナンデスCEOはすぐに、親交のある大韓サッカー協会のチョン・モンギュ会長へコンタクト。さらにモンギュ会長は旧知の大韓体育会のユ・スンミン会長に、太いパイプをもつ大韓航空のチョ・ウォンテ会長との橋渡し役を担ってほしいと要請。こうしてチャーター便の再調整が実現した。
囲み取材に応じたチャリティーマッチ前日までは公式な発言をいっさい控えていた三木谷氏は、チャーター便が飛び立った直後の日本時間25日夕方に自身のX(旧ツイッター)を初めて更新。文字はいっさい綴らずに、まずはサムアップする絵文字を、さらに飛行機が離陸する絵文字を立て続けに投稿した。