また、次のような症状に該当する場合も、すみやかに運動を中止しましょう。

・胸痛や呼吸困難、頭痛、吐き気、めまい、ふらつき、冷や汗などの症状が出た
・運動中または運動後の心拍数が、前日より10回/分以上増えた
・運動中に動悸(どうき)、頻脈、徐脈、失神などの不整脈の症状が出た
・運動をしていないときでも不整脈が増えた
・尿中ケトン体が2+(20mg/dl)以上の人

 もちろん、体調がすぐれない日は無理せずに休むことが第一になります。

 ほかにも糖尿病性腎症の人は、ちょっとした靴擦れをきっかけに壊疽(えそ)が広がりやすいので、足の爪の状態やマメの有無、小さな傷などができていないかよく確認しましょう。

 腎臓リハビリを続けていれば着実に健康寿命を延ばすことができるので、頑張ることが億劫にならないように、八分目で長い付き合いにできるといいですね。

息切れするような
激しい運動は避ける

 腎臓リハビリとして有酸素運動を行うときは“適切な強度”が求められます。

「いきいきウォーキング」も運動の強度が強くなりすぎると、有酸素運動よりも無酸素運動の比率が高くなるため、運動療法としての効果を得にくくなります。

 運動負荷は本人の感覚によるので一概にはいいきれませんが、「きつい」「しんどい」と苦痛に感じるのであれば、それは明らかにオーバーワークなのでやめましょう。

 ちなみに、医学的な指標として、「ボルグスケール」と呼ばれる運動中における自分の感覚(おもに疲労度)を主観的に評価する方法があります。

図表:腎臓リハビリに適した強度同書より転載
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 腎臓リハビリの強度としては、ボルグスケールの13(ややきつい)~11(楽である)の範囲で行うことが理想的です。