
いよいよ会社を辞める
決意を固める嵩
実際のやなせは、職場で生意気な社員だったらしい。生意気なうえに副業して。それでも通用していたのはよっぽど仕事ができたのと、憎めないキャラだったのだろうと思う。器用貧乏すぎて突出しない人は実際にいる。
そして、嵩はいよいよ会社を辞める決意をする。のぶはどんなことになっても嵩を応援する気だ。
嵩に関して、モデルの記録がたくさん残っているため興味が尽きない。でも彼を深堀って描くと彼が主人公になってしまう。このドラマの主人公・のぶはモデルの記録が少なく、ほぼオリジナルなので、歴史(積み重ね)が見えにくい。
強烈なキャラと記録のある人物をあえて主人公にしないという作劇はなんと難しいことか。このチャレンジは評価に値する。
さて、結婚5年目のメイコと健太郎には、娘・愛がいて。更に妊娠していた。
のぶの家に三姉妹と健太郎と嵩が集まったとき、産気づいて病院へ。その夜、無事に出産。このとき、報告の電話にのぶと嵩は静かな声で出ている。愛を預かっていて、寝ている彼女を起こさない配慮であろう。
今日もイベント(エピソード)が盛りだくさんだった。のぶの髪型も変わっていた。
健太郎がヤムおんちゃん(阿部サダヲ)に似た人を新橋で見かけたというのも入って、いろんなことが「あふれかえる人間社会で」(by主題歌)情報処理が追いつかない。
大きなツボを持っていたと聞いて、三姉妹は「ヤムおんちゃんや!」と確信する。またまた久しぶりにあの陽気で少し毒のあるヤムおんちゃんに会いたい。
そうそう、鉄子(戸田恵子)が代議士に再選したものの、「女性議員の立場は不安定になっていました」「悪戦苦闘する日々を送っていました」と語り(林田理沙)が説明していた。
どんなふうに悪戦苦闘しているのか。会食ばっかりしている印象しかないが(どうやら鞍替えしようとしているらしい)、政治の話が主題ではないので、これでいいのだ。
余談になるが「これでいいのだ」は『天才バカボン』のパパのセリフ。天才漫画家のひとりである赤塚不二夫は子どもの頃、手塚治虫の漫画を見て漫画家を志したそうだ。戦後、すごい才能がどんどん生まれていたのである。嵩の活躍も早く見たい。