実験参加によるいくらかの謝金と引き換えにFacebookのアカウントを停止していた人たちは、1カ月にわたる実験への参加後にどうしたか。95%が調査終了から100日以内にFacebookに戻ったそうです。面白い。「まぁでもそうかもしれんな」と思いませんか。私も、アカウント復活させてしまう気がします。
加えて、2018年から2019年にかけて、Facebookの倫理的に問題のあるターゲティング広告やデータ利用によって多くのアメリカの若者がアカウント停止運動にコミットしたことが知られていますが、その大半が単に別のプラットフォーム(InstagramやSnapchat、TikTokなど)に乗り換えていただけだったという別の調査も紹介されています。
仮にどれだけメリットがあるとしても、大半の人は脱SNSできないし、アカウントも捨てられない。だから、デジタルデバイスからも離れられない。この前提を除外せずに考える必要があるでしょう。これ抜きのどんな考えを口にしても、どうにもなりません。
そして、「デメリットを知りながらも、SNSやスマホを止められない」という点にこそ、スマホ時代の哲学の難しさと、スマホについて考える重要性が表れていると私は考えています。
