私が日本上陸に関わったブランドの場合は、事業開始時は10%前後の認知度でしたが、数年後全国展開したあとは70%台に近づいたということがありました。また別のブランドではすでに日本で浸透していた中で、男性はほとんど知らなかったのに女性はほぼ全員知っていた、ということもありました。

 一方の「純粋想起」は、ブランドの属する業種や品種の中で知っているブランドを挙げてもらうもので、ノーヒントです。この場合は単に名前を「聞いたことがある」というより何か強い印象を持つ「知っている」状態と言えるでしょう。助成想起より競合の中で選択される優先順位が高いことをこの数値で確認することができます。

 両方の指標とも、自社ブランドが世の中に広く知られている状態になる、というのがわかるとうれしいものです。しかしそのためには膨大なコストがかかるでしょうし、その結果がそのまま売上に反映するかといえばそうとも言い切れません。売上が拡大した結果、認知度も上がっているとも言えるからです。

 認知度はブランドにとってひとつの指標ですがそれを上げることが目的になってはいけないのです。

長期的にブランド価値を
高めるために不可欠な要素

 それを補うのがブランドの好感度を測る調査です。ブランド名だけでなく、そのブランドに対してどういうイメージを持っているかを調査するのです。

 ここで1番知るべきことは、ブランドの本質がどれだけ伝わっているのか、ということです。ブランドの本質が伝わらなければ、長期的にブランドの価値を高めることはできないからです。

 でもブランドの本質はそう簡単には伝わりません。ブランドの本質である創業者の世界観とは、「世の中の人々に何かを与えたいという強い願望とそれを実現するための尋常ならざる努力」です。

 しかしそこまでの内容を広く社会に伝えていくことは簡単ではありません。「本質」は大事なのですが、伝えにくく、伝わりにくいのです。