高学歴でも仕事に苦労する人と、学歴フツーでも「20代で年収1000万円を超える人」…家庭の“決定的な違い”とは?写真はイメージです Photo:PIXTA 

家で親の仕事について話せているか?

 マイナビ「大学生低学年のキャリア意識調査(2027-2028)によると、大学低学年で方向性が決まっている学生は4割。そのうち8割は高校時代に大学の学部、学科を選ぶときに職業の方向性をある程度決定し、大学入学後はインターンシップやOB訪問、資格取得など具体的なアクションをしています。

 一方、そうでない人は、同じ意識レベルの友達となんとなく将来について話すくらい。

 この時点で就活意識に大きな差があり、早期職業意識がない人は出遅れることがわかります。

 欧米はもっと先進的で、キャリアカウンセラーが日本よりも身近な存在です。中学校でキャリアカウンセラーが雇われていたり、彼らが定期的に学校を訪問するしくみがあります。15歳の生徒が興味のある職業をカウンセラーに伝えると、その仕事内容を教えてくれたりするわけです。

 日本ではこうした取り組みはわずかであり、労働市場で需給バランスが崩れている最もひどい国の一つとなっています。

 実は、「親の仕事を家庭内で話題にすることで、職業選択の自己効力感が高まる」という調査結果があります。親の話を通して、仕事は大変なこともあるということを理解できるようになり、それなりに免疫力もつくでしょう。職業を選択するうえで、自分なりにこんな会社は嫌だとか、子どもなりに判断力もつくはずです。

 仕事の愚痴を言いすぎるのもよくないですが、放任主義であったり、仕事について全く話さなかったりするよりはマシなのではないでしょうか。

 職業についての会話頻度が多いと、成し遂げる力や自己肯定力が上がるという効果もあります。