甲子園における強豪校は、この大会を盛り上げる「スター」だ。そこには未来のプロ野球選手もたくさんいるし、地元の期待も背負っている。そこで、このイベントを成功させたい高野連や朝日新聞からすれば多少の問題があっても目をつぶっておきたいのだ。
実際、そうとしか思えない対応をしている。
今年1月の暴力事案は、被害者の生徒が「転校」に追い込まれて警察に被害届を出すという「カッときて手が出ちゃった」というレベルの話ではない。しかも、前に述べているように、この暴力事案とは別に現在、第三者委員会が立ち上がっている別の暴力事案まであるのだ。
これらの「被害者の声」を高野連も朝日新聞もスルーしたうえで、広陵高校の出場を認めている。名もない高校生たちの人権が侵害されたことより、自分たちに莫大な利益をもたらす「スター」を守ること優先しているように見えてしまう。
「甲子園美談」で国民は感涙
人知れず涙をこらえたイジメ被害者
この構図はフジテレビもまったく同じだ。同局の女性アナウンサーだったAさんが、中居正広さんから性被害を受けたと報告があがったにもかかわらず、当時の経営幹部は中居さんの番組を継続した。
これは「Aさんのプライバシーを優先した」と説明したが、経営幹部の中には中居さんのために動いて、この問題を収束しようと動いていた者もいた。また、番組改編期が過ぎて中居さんを起用した新しい番組まで始まっており、この会社側の対応を見たAさんも「見捨てられたと感じた」と述べている。
どういう言い訳をしようとも、入社ほどない新人アナウンサーの人権が侵害されたことより、自社に莫大な利益をもたらす「スター」を守ることを優先したとしか思えない。
ただ、こういう構造的な問題を世間から指摘されても朝日新聞やフジテレビは決して認めない。非を認めたら、こういう問題をこれまでもずっと放置をしてきたことまで叩かれてしまうからだ。
そこで編み出したのが急に「報道」の顔をして、「週刊誌やSNSの情報を鵜呑みにして攻撃するのはいかがなものか」という火消しだ。それが3の《「告発のせいでみんなが迷惑している」と被害者を叩く》である。
今回も、朝日新聞社の系列であるテレビ朝日の男性アナウンサーが耳を疑うようなことを言って批判を浴びている。