最高のリーダーは1on1が不要な仕事ではないことを知っています。むしろ、1on1こそがリーダーの仕事なのです。リーダーがそれを完全に理解し、受け入れれば、部下やチームを大きく変える1on1の可能性が発揮され始めます。
ミーティングが増えることを考えると、気分が重くなるかもしれません。しかし、1on1を適切に実施すれば、チームの連携が強化され、部下のパフォーマンスが向上し、あなたの仕事が突然中断されることはなくなります。
さらに1on1には部下のエンゲージメントを高めて、離職率を低下させる力があります。
社員の採用にどれだけの時間と費用が費やされているのかを考えてください。1on1を効果的に実施すれば、この問題は改善するのです。
あなたの予定表に1on1が増えるのは事実ですが、1on1はリーダーが果たすべき仕事です。そして長期的には1on1の効率と効果を高めることは可能です。
1on1の目的は
部下のニーズに応えること
1on1とは、「マネジャーと直属の部下との間で定期的に繰り返し行われる、部下の健康状態、モチベーション、生産性、対処すべき問題、優先事項、役割分担の明確化、他の業務との調整、目標設定、他者・チームとの調整、個人の成長、キャリアプランなどについて対話する時間・機会」のことを指します。
このミーティングの目的は、建設的で誠実、そして相手を力づけるコミュニケーションによって部下との関係性を発展・強化させることです。部下の「実務的なニーズ」に加えて、「個人的なニーズ」に応えることも目的としています(注1)。
「実務的なニーズ」とは、部下が効率良く業務を遂行し、優先順位をつけて対応するために必要なサポートのことです。
「個人的なニーズ」とは、部下がリスペクトされている、信頼されている、サポートされている、評価されていると思うことにつながることです。つまり、思いやりのある態度で接してほしいという部下のニーズのことです。
双方のニーズに対応するのは容易ではありません。ツールとして「1on1のスキルを評価する」ためのアンケートを用意しました。最初にご自分の1on1のスキルを把握してください。
(注1)Byham, T. M., & Wellins, R. S. (2015). Your first leadership job: How catalyst leaders bring out the best in others. Hoboken, New Jersey: John Wiley & Sons.
あなたの1on1のスキルを
評価してみよう
過去6カ月から1年で、あなたが実施した1on1を思い出して振り返ってください。各質問について、あなたが次の行動を取ったと思う割合(%)を回答してください。部下のことを思い浮かべながら、できるだけ正直に答えてください。