誰しも「この人は苦手だ」と感じる相手がいるだろう。そんなとき相手を分析して、ゲームのように親しくなる過程を楽しめたら、どうだろう?ゲームをクリアできれば、自分のコミュニケーションスキルも上がっていく。楽しみながら苦手な人と距離を縮める、そのテクニックとは。※本稿は、木場弘子『次につながる対話力「伝える」のプロがフリーランスで30年間やってきたこと』(SDP)の一部を抜粋・編集したものです。
RPGゲームのつもりで
「苦手な人」を攻略する
最近話題の「話し方」「聞き方」などのコミュニケーション関連の本を何冊か読みました。
いずれも様々な考え方やノウハウが紹介されており、大いに参考になりました。ところが、ある本では、苦手な人との接触を避けるよう勧めていて少々驚きました。
しかし、実際のビジネスの場では「あの人は苦手だから」と、避けて通るわけにはいきませんね。敢えて話す必要のないシチュエーションであれば、無理せず沈黙を通す選択もあるとは思うものの、そうしているといよいよ苦手意識は募って、たとえば「報・連・相」といった基本的なことも滞ることになりかねません。
これはある種の“挑戦”となりますが、あまり深刻に捉えずにRPGゲームのようなつもりで色々と攻略法を試してみる。コミュニケーションの「経験値」を上げるいい機会という程度に考え、焦らずにトライしましょう。
ここでは「苦手な人」というのを、たとえば職場の上司や同僚、あるいは関係の深い取引先の担当など、毎日の仕事の中で避けられない関係、絶対に付き合わないといけない人。その人について明確な理由が無く、性格上のソリが合わない人と設定してみます。